行雲流水
2014年11月13日(木)8:55
「地方都市消滅」(行雲流水)
知事選は、俗に言う「3日戦争」を迎えた。各陣営は活気づいている。「戦争」とは大げさなものいいだが、選挙事務所あたりでは選挙参謀が打ち鳴らす警鐘がやかましいのかもしれない
▼「交通戦争」という言葉もあった。車社会が到来した昭和30年代、交通事故による死亡者が年間1万人を超えたころだ。これは日清戦争の戦死者数に匹敵する、との警鐘だった。各方面で対策にのりだし、今では交通事故による死亡者数は5千人弱に減っている
▼「受験戦争」という言葉もあった。団塊の世代(昭和22年~24年生)や団塊ジュニア(昭和46年~49年生)が受験期を迎えたころだ。人口のふくらんだ世代が通過する際に、社会は摩擦熱を帯び、変質していった。「15の春を泣かすな」と学級や学校が増え、消費構造や社会システムも変わった
▼今は、その逆の少子高齢化社会だ。団塊の世代は高齢化し、若年人口は減少。これに対応する社会システムを作ろうとして、作れないでいる
▼今年、団塊ジュニアの女性が40代になったことで、将来896自治体が消滅するかもしれないという(「増田レポート」)。出産する女性の95%は20~30代の女性。1人の女性が生涯で産む子どもの数は去年の統計では1・43人。2040年には20~30歳の女性が現在の50%に減り、自治体の運営が困難になるという
▼25年後の宮古島はどうなっているのだろうか。3日戦争のお祭り気分が宮古島の将来を考える情熱につながっていけば幸いだが。