行雲流水
2014年12月27日(土)8:55
「朝日新聞検証第三者委員会報告書」(行雲流水)
12月22日、朝日新聞の慰安婦報道に関する第三者委員会による検証報告書が公表された。A4用紙110㌻に及ぶとされる報告書の概要が23日付の産経新聞に掲載されている。メディアの間で激しい批判をうけた慰安婦問題を委員会はどのように受け止めたか大いに関心がもたれるものである
▼報告書は朝日新聞の今年8月の慰安婦問題検証記事について「朝日新聞の主張方針に合致するよう記事の方向付けを行ってきたのではないかとの指摘に明確に答えていない」と断言し「自己弁護の姿勢が目立ち、謙虚な反省の態度も示されず何を言わんとするのか分かりにくいものになっている」とかなり手厳しい
▼その上で「読者のための紙面ではなく、朝日新聞の防衛のために紙面を作ったことに(問題の)主な所在がある」と指摘して、朝日記者へ委員会から次のような提言がなされた。①事実を軽視するな②自己の先入観や思い込みを正し、一方的な見方をするな③誤った際に率直な謙虚さを忘れずに報道すること、など
▼新聞に対する読者の立場からの指摘であると思えるものである。委員の意見として、沖縄でもなじみ深い岡本行夫氏のコメントがある「朝日新聞の方向性に沿うように『角度がつけられて』報道され、正確に伝えていない多くの記事がある」
▼「角度をつける」とは、事実を伝えるだけでなく新聞としての方向付けをするということらしい。これでは新聞とは言えないのではないか
▼新聞に限らずメディアに対する読者や視聴者は報道されたものは正確な事実であることを期待している。その期待を利用するような方向付けをするようでは記者の思い上がりと批判されても仕方のないことだろう。