中部地方から観光客送客/フジドリームエアラインズ
入域客数底上げに期待/チャーター便
静岡市に本社を置く地域航空会社・フジドリームエアラインズ(FDA、須川恒次社長)は昨年のゴールデンウイークと12月上旬、年末年始に愛知や静岡などから宮古島へのチャーター便を21便就航。これまで経由でしか宮古入りできなかった中部地方の観光客を直接、送客している。今年も1月から3月の就航を予定しているなど、宮古島への入域観光客数底上げにつながることが期待される。
FDAによる宮古島チャーター便就航は、市観光商工局や宮古島観光協会などによる誘客プロモーション活動などが奏功し実現。FDAと、旅行代理店のJTBやHIS、タビックス静岡などによる共同運航として就航した。
チャーター第1便は、昨年4月27日に名古屋小牧空港から74人を乗せて来島した。その後、5月1日に静岡空港から、同3日は小牧と静岡から、同6日は静岡から就航し、計5便で約300人を宮古島へ送客。平均搭乗率は約90%と高い人気を見せた。
ゴールデンウイーク期間中のチャーター便が好調だったことから、12月上旬と年末年始で計16便の運航も決定。12月上旬の8便は、小牧、静岡、松本(長野)の各空港を出発し久米島と宮古島を巡る2泊3日の周遊型ツアーチャーター便となった。
12月2、5、8日には小松発、同4、7日には静岡発、同3、6、9日には松本発のチャーター便が、前日に久米島で1泊した乗客を乗せ来島。翌日、帰路に着いた。
年末年始のチャーター便8便は、27日が午前と午後に小牧から、29日は午前に静岡、午後は小牧から、30日は午前に小牧、31日は午前に小牧、午後に静岡、1月3日は午前に小牧から就航。日程は2泊または3泊となっている。
12月上旬と年末年始のチャーター便は、FDAとJTB、HIS、農協観光、タビックスとの共同運航で実施。計16便で1000人ほどの送客が見込まれている。
FDAでは宮古島チャーター便について、需要が高まるシーズンなどを中心に今後も継続的に運航する方針で、今年1月から3月にかけても直行チャーター便と久米島、宮古島周遊型チャーター便の就航も計画中。従来の小牧、静岡、松本に加え、徳島、広島、北九州、福岡、大分と、中四国、九州地方からの運航も予定されている。
宮古島観光協会ではFDAによるチャーター便就航について「観光協会や市観光課などによるこれまでの地道な観光キャラバンの成果だ。これまで来ていなかったエリアから1便で70人ほどの入客が見込めるので、入域観光客数の底上げにつながる」との考えを示す。
FDAは、静岡を拠点に物流、食品、情報、航空、地域開発などさまざまな事業を展開する鈴与(本社・静岡市、鈴木与平社長)が100%出資する民間の航空会社。2009年7月に拠点である富士山静岡空港から小松、熊本、鹿児島への定期航空路線を開設。機材はブラジルのエンブラエル社製のERJ170型(76席)3機と175型(84席)5機を保有していて、10年6月には信州まつもと空港から札幌、福岡線を、同10月からは名古屋小牧-福岡線を開設し、熊本、いわて花巻、青森、新潟、高知、山形へと路線を拡大している。