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行雲流水
2015年1月10日(土)8:55

「翁長知事年頭あいさつ」(行雲流水)

 1月6日付の沖縄タイムスに翁長知事の県職員にむけての年頭あいさつ全文が掲載されている。「有権者多数の支持を得て当選」した自信に満ちたあいさつ文だ。知事は文中で三度「心を一つにして」と繰り返す

▼最初は知事自身が「職員の皆様と心を一つにして」県政に取り組む決意表明。後に、県庁職員に対して「部局長と心を一つにして」県民の期待に応えよ、と注文をつける。中に使われる文節が知事として最も言いたいことであると思える「県民が心を一つにして普天間基地の県外、国外移設、新辺野古基地の建設を許さない」の3回だ

▼県行政を遂行していく上で知事と職員が心を一つにして県民の期待に応えるよう努めるのは論を待つまでもないが、普天間基地の辺野古移設に関して県民の心が一つになって反対しているとは思えない。多数の支持を得たということで心が一つとは言えないのだ

▼選挙の結果はそれなりに重大な意味を持つものであることは否定できないが、普天間基地の移転問題をこれまでの流れから考えると辺野古反対に反対する人たちも大勢いるはずだ

▼8日に開催された自民党沖縄振興調査会と美ら島議連の沖縄振興予算について論議する合同会議に知事は出席を拒まれた。新聞は「翁長氏を冷遇する」というが、政治の世界において考えが違えば排斥されるのが普通だ

▼仲井真前知事はぎりぎりのところで自民党政権と妥協した。そのことが選挙戦で非難され不評を買ったが、仲井真氏の政治姿勢を否定することはできないはずだ。普天間基地移転問題で一切の妥協を拒むのが県民全ての心ではないと思えるからである。

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