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行雲流水
2015年1月13日(火)8:55

「年明ける」(行雲流水)

 好天に恵まれて、新しい年が明けた。親しい友人・知人からの年賀状や、電話の声に改めて新しい年の幕開けを感じた。「なんとなく今年はよい事あるごとく元旦の朝晴れて風なし」。借金に苦しんでいた石川啄木が詠んだ歌である

▼不条理がはびこる喧騒(けんそう)の世相であるが、世界が平和で、いつでも、どこでも、人が人間らしく安心して豊かに暮らせることが、すべての人の願いである

▼今、農家では、寒風のなかで、サトウキビの収穫に追われている。サトウキビはこの地に合った作物であり、サトウキビ生産と糖業を守ることは、地域・ふるさとの存続を守る上で不可欠である。TPP(環太平洋連携協定)で、資本の論理に押しつぶされてはならない

▼巷間、話題になっているのが、国民の意志が十分に反映されない今の選挙制度に対する不信である。このことは民主主義の根幹に関わる問題である。元衆議院議長で、自民党総裁であった河野洋平氏は、故土井たか子氏のお別れ会で、小選挙区制導入を推進した自らの判断が誤りだったと語っている

▼沖縄の米軍基地は、アメリカ経済に深く組み込まれた軍需産業のための基地であり(広瀬隆著『アメリカの巨大軍需産業』に詳しい)、それを後押しする世界戦略のための基地である。新米軍基地の建設は、主権在民の民主主義を守る上でも、世界平和のためにも、日本が対米従属を断ち切る上でものぞましくない

▼啄木は生活苦のなかでも、明日を夢見た。県民は、苦悩の中で、光明を見いだすことができるだろうか。

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