行雲流水
2015年1月22日(木)8:55
「地方創生5原則」(行雲流水)
昔、池間や伊良部の漁師は、カツオをとりにソロモン海まで出かけていた。今、地方自治体には、昔の船長のような「気概」が求められているのではないだろうか
▼先週、来年度予算案が閣議決定された。地方創生事業についての詳細はまだ明らかではないが、基準はすでに公表されている。宮古島市の計画や実行予算をつくる際の基準ともなる5原則だ
▼①外部人材の活用などにより地方の自立を可能にするもの ②地方が主体となって築く夢のある前向きなもの ③客観的なデータにより各地域の実情をふまえたもの ④目指すべき成果が具体的に想定されるもの ⑤その検証が可能なもの
▼石破地方創生担当大臣は「地方創生の名前を冠すればよいというものではない。人材育成や雇用の創出につながる施策を重視している」とも述べている
▼実務的にはコンサルタント・デザイナー・技術指導者などの招聘(しょうへい)・委嘱に要する費用は認められるが、実行責任は地元の自治体・事業者にある。つまり、外部ノウハウの地元への移転促進がネライだ。また単なる試行ではなく、技術的にも経済的にも成果が見込める事業でなければならない、と読める
▼予算要求に際しては、この基準に添ってひとひねりもふたひねりも工夫する知恵が要る。従来のように国や県に〝おんぶに抱っこ〟ではカツオ(仕事)はとれそうもない。船長はあくまでも「地方」であるとの自覚が必要だ。何があってもやりぬく強い気持ちと確実に漁場にたどりつくための知識と知恵が求められている。