行雲流水
2015年2月14日(土)8:55
「高齢者医療」(行雲流水)
古希を境に病院の世話になるようになってしまった。これまでほとんど縁のなかった薬を飲むようにもなった。それも毎日だ。体の異常というほどではないと思っていたがある日を境に関節の痛みが激しくなって医者に診てもらったのがきっかけだ
▼年を取るにしたがって体の機能が衰え日常の生活に影響するような痛みや失念を老年症候群というらしい。医療専門用語としては、骨粗しょう症、認知症、脳血管障害、感染症、うつ、そのほか転倒、尿失禁などがそうだといわれる
▼この頃は65歳から74歳を前期高齢者、75歳から89歳を後期高齢者とし90歳以上を超高齢者と言うようになっているが、老化の兆候が明らかに出てくるのが前期高齢者で75歳を過ぎる後期高齢者や超高齢者は老化の兆候が著しくなって、複数の病気をかかえる人が増えるといわれる
▼そのつてで行くと古希を境に病院の世話になって幾種類かの薬を毎日飲むようになるのも当たり前かと思ったりするが、老年医学ではそうではなさそうだ。「老年症候群に関するエビデンスは世界的に見てもほとんど欠如している」と指摘している
▼高齢者の抱える疾患に対して安全で効果のある治療法を選ぶ指針となる検証結果はないと言っているのだ。健康概念が高齢者と若年者では違うとも指摘するが高齢者医療の現状は現状として受け入れなければならないということだろう
▼平成26年5月、日本老年医学会は「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」を公表した。フレイルという高齢者独特の身体的・社会的な負の概念を国民共通の認識として取り組んでいく必要性を提唱している。