行雲流水
2015年2月24日(火)8:57
「海を愛する自由を」
宮古には次のような「子守歌」がある。「泣かずに早く寝る子には、お父さんが捕って来た大きな蛸(タコ)のおいしい足をあげよう」。旧暦の3月3日はサニツ(浜下り)。女性が海水で身を清め、潮干狩りを楽しみ、その恵みに感謝する伝統行事である。いずれも、島民の生活と海浜との深い関わりを示している
▼ところが多くの海浜がコンクリートで固められて住民生活から遮断されてしまった。また、魚介類も減少した。そうした中でも、海岸で自生アーサを採っている人の姿を見ると、ほっとする
▼今回、自家用にアーサを採取している人に対し、告発を受けて、禁止するよう「警告書」が出された。島民はあぜんとして、大きな衝撃を受けている。住みにくい世の中になったものである
▼問題は他にもある。沖縄県には「海浜を自由に使用するための条例」があり、「海浜は、万人がその恵みを享受しうる共有の財産である」と規定されている。しかし、県内にはビーチへの入場料を徴収しているホテルがある。また、車道の一部を封鎖して、すべての人(特に老人や障害者)が景観を自由に楽しむのを阻害しているところがある
▼海はみんなで有効に活用したい。県漁連主催のシンポジウムでは、読谷村や恩納村が修学旅行生に釣りを体験させていることが報告され、注目された
▼すべての人に、海を楽しみ、海を愛する自由を!