行雲流水
2015年5月14日(木)8:55
「マンゴーの季節」(行雲流水)
1箱2個入りのマンゴーが30万円で競り落とされた。宮崎県産「完熟マンゴー」初競りでの話題だ。熟して自然落下するマンゴーをネットで受け止め、糖度15度以上、重さ350㌘以上の基準で選別した逸品だという(4月14日本紙報道)。暖房完備のハウス内で管理栽培されたものに違いない
▼宮古のマンゴーはハウス内とはいえ、露地栽培に近い。暖冷房設備はないし、糖度や重量の管理も人知を尽くしているかどうか。逆にいえば、宮古の栽培技術は今後の発展余地が大きいといえる
▼宮古のマンゴー収穫期は6月以降だが、早くもピーク時の滞貨解消について海運会社の運行ダイヤ、流通業界のチルド輸送態勢を確認した模様。その結果、「航空と船舶の併用」「農家の出荷調整」で克服できる見通しだという。先手、先手で取り組む関係者の前向きの姿勢を高く評価したい
▼さらに一歩進めて、台風来襲時を想定した〝作戦計画案〟についても策定しておく必要がある。船舶の欠航など状況の変化に対応した多段階作戦案だ
▼大事なことは、それぞれの分野で各人が最善を尽くす使命感(意欲と誠意)だ。栽培管理、果実の劣化速度、流通実務などの現状について正確な知識を共有することから始めたい。その上で、生産・流通・運輸部門の改善余地について各自の領域を見つめなおし、産地全体としての前進を図ってほしい
▼それにつけても、行政や試験研究機関の果たすべき役割は大きい。近く開催予定の宮古島市マンゴー産地協議会の成果に注目したい。