行雲流水
2015年8月15日(土)9:02
【行雲流水】「不法投棄」
ごみ、ちり、あくた、くずやかす等の言葉は、日々の暮らしの中で出てくる要らなくなったもの、使えなくなったものを指す言葉だが、日常使われる言葉が法律用語となると廃棄物といった言葉になる。高度な文明社会に適応する法律を定める必要性から言葉に変化が生ずるのだろう
▼テレビ、洗濯機、クーラーといった家電製品など思いもよらなかった時代にはごみやちりが大騒ぎを引き起こすようなことはなかった。普通の家庭では捨てるものなどなかったし、捨てるものが出た場合でもそのほとんどは土にかえるものであったのでちり捨て場にもっていけばよかった
▼昔のちり捨て場は、誰かが要らなくなったものを住居から離れた洞や窪地に捨てたのをきっかけにほかの人たちもそれに倣ってみんなのちり捨て場にしてしまうのであった
▼今どき、そのようなちり捨て場はどこにもない。「廃棄物の処理および清掃に関する法律」は日本経済が高度成長の時期にできた法律でごみ・廃棄物の処理を厳しく規制している。復帰後の宮古島のくらしも豊かになった。その分排出するごみの質量も増え、それとともに居住地から離れた場所と言ってごみを捨てることは許されなくなった。ごみを勝手に捨てられなくなったのである
▼昨今の不法投棄問題は高額の処分料がかかる家電製品等のほか生活廃棄物の有料化などで法律違反だということを承知しながらも人目につかない場所を捨て場にしていることにあると思える
▼」行政が、不法投棄されたごみの処理に膨大な予算を組むのは現状では仕方ないとして、この先不法投棄を防ぐ持続的なシステムを構築できないものだろうか。