行雲流水
2015年9月15日(火)9:01
【行雲流水】「創刊60年を迎える宮古毎日新聞」
ナポレオンは、百万の銃剣よりも3枚の新聞紙を恐れる、と言った。現在では、司法、立法、行政と並んで、マスコミはその影響の大きさから「第四の権力」とも言われる。それだけに、マスコミの責任は重い
▼本来、ジャーナリズムには、民主主義と権力のはざまにあって、すべての権力をチェックして伝えることが求められる。権力は腐敗しやすいからである。英国のアクトン卿の言葉は有名である。「権力は腐敗しやすく、絶対的権力は絶対に腐敗する」
▼本紙は、1995年、日本新聞協会に加盟した。同協会の倫理綱領は述べている。「新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によって、公共的、文化的使命を果たすことにある。また、あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」
▼地方紙である本紙は「郷土色豊かに確かな視点」をスローガンに、常に正確で丁寧、きめ細かな情報を提供し圏域の経済自立、豊かな文化、住みよい地域づくりに貢献することを目指している(創刊50年記念式典式辞―真栄城宏社長・現会長)
▼本紙は本来の報道のほか、スポーツや芸能、産業や文化的諸行事等を主催し、市民の生活の向上や青少年の健全育成に寄与している。一方で、以前から市民の中に不満が渦巻く一部企業の横暴等に対する適切な論評に期待する声も大きい
▼宮古毎日新聞は、今年で創刊60年を迎える。本紙が地域に根ざし、地域の発展にますます大きく寄与することを、市民は期待している。