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行雲流水
2015年10月9日(金)9:01

【行雲流水】「メディア・リテラシー」

 メディア・リテラシー。聞きなれない言葉である。私は「報道を批判できる能力」と理解しているが、必ずしも正確な理解の仕方ではないことを承知のうえで話をすすめる。その前にこの言葉についての辞書やその他のメディアの解説に触れておくべきだろう


▼広辞苑「メディアの伝える情報を批判的に判断・活用し、それを通してコミュニケーションを行う能力」。ウィキペデア「情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと」。日本経済新聞(電子版IT用語辞典)「メディアの特性や利用方法を理解し、適切な手段で自分の考えを他者に伝達し、メディアを流れる情報を取捨選択して活用する能力のこと」

▼メディア・リテラシーという言葉は情報発信者と受信者の間で成り立つ言葉であることがいずれの解説でもよみとれるが、大方の人々は情報を受け取る側である。そういう意味で一般の人々はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等メディアの流す情報を受け取る際「その情報は信頼できるかどうかを判断する」立場にあるといえる

▼さらに言えば、報道機関が発信する情報に寄せる意図は何であるか、どのような目的で情報を流しているかを考える立場にある、ということを常に念頭において発信される情報と向き合わねばならない

▼特に政治にかかわる情報を流すのに一つの思想に基づいての報道姿勢には疑問を持って当然だ。特定のイデオロギーに染まり切った報道は視聴者や読者を誤誘導しかねない

▼それを避けるには読者や視聴者が報道そのものを「事実」と「事実らしきもの」に識別する能力を持つことだと考える。

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