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行雲流水
2015年10月29日(木)9:01

【行雲流水】「機能性食品の表示制度」

 TPP交渉の大筋合意を受けて、日本の農業政策が変わろうとしている。「守り」の農政から「攻め」の農政への転換だ。「攻め」とは、日本の農産物の「良さ」を売り込み、消費拡大を図ろうとするものだ


▼端的に言えば「良いものは高くても売れる」との発想だ。「良さ」の第一はおいしさ、第二は安全・安心だ。それに最近、「機能性」が加わってきた。健康維持に役立つという視点だ

▼今年4月、機能性食品の新たな表示制度がスタートした。国の厳重な審査が必要な薬品やサプリメントと違い、事業者の責任で機能性をアピールできる制度だ。科学的根拠を消費者庁に届け出るだけで、「維持」、「サポート」、「調整」などの表示ができ、商品の差別化が可能となった。「老後の健康をサポートする宮古島産」などと表示できる

▼今、全国の特産品生産業者は活用のための準備におおわらわだという(10月16日「琉球新報」)。松山市で開かれた機能性表示食品の開発講習会には約業者が参集。削り節メーカーは「県の支援で申請書類の準備などに経費がかからず、短期間で表示ができそうだ」と話す

▼農家や中小事業者の弱点は、「科学的根拠」の提示・説明に暗いことだ。この点、愛媛県は、大学の臨床試験や試験場の研究レビューを集め、あるいは分析を依頼するなどして農家を支援しているようだ。宮古島市やJAも県と連携して支援体制をつくることができるのでは

▼宮古の気候や土壌が生み出す産物の機能特性は何か。それを探求する機運が高まればさいわいだ。

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