県議選 保革分裂か、激戦の様相
前回無投票から一転/新風会も立候補擁立へ
来年1月市長選の前哨戦に
任期満了に伴う今年夏の県議選に向け、宮古島市区(定数2)現職の奥平一夫氏(66)が4期目出馬、座喜味一幸氏(66)が3期目出馬の意向をそれぞれ示している。現市議の真栄城徳彦氏(66)、亀濱玲子氏(61)、前市議の嘉手納学氏(50)の出馬も取りざたされている。是々非々の姿勢を貫く市議会会派「21世紀新風会」の動きもある。現時点では前回の無投票から一転して保革分裂、激戦の様相だ。
県議選のほか、今年は1月に宜野湾市長選、夏には参院選が行われる。保革ともに一連の選挙は、来年1月の市長選の前哨戦と位置付けており、水面下での人選作業が一段と激しくなりそうだ。
現職の奥平氏は一昨年、翁長雄志県政が誕生したことを受け、県政を支えていくことに意欲を示している。
米軍普天間基地の辺野古移設で、政府と法廷闘争に発展していることから、関係者は「県政与党として翁長知事を支えてほしいとの声がある。また、奥平氏自身も宮古のために一肌脱ごうという気持ちが強くなっている」と話した。
革新側には前回の市長選で統一候補を擁立できず、保守系で現職下地敏彦氏の無投票当選を許した経緯がある。前々回の市長選の分裂が尾を引いた形となったが、このしこりを引きずるか、または払しょくして臨めるかが課題だ。
前々回の市長選で、奥平氏が推す候補者とは別の候補者の支持に回った亀濱氏の出馬が取りざたされていることが、選挙戦における根強い不信感の表れといえそうだ。
座喜味氏は自民党県連から第1次公認候補を受けており、「実績を評価してもらい感謝している」と出馬へ意欲を示している。
保守系では前市議の嘉手納氏も出馬に前向きだ。一部の与党市議などから出馬要請を受けており、自身も「組織づくりなどの環境整備が整えば、出馬を考えたい」と話している。
市政与党内の中には、座喜味氏、嘉手納氏のほかに、市議で前市議会議長の真栄城氏を推す動きもあり今後、人選作業がどう進むか注目される。
保守系市議の一人は「革新系が複数立候補し、こちら(保守系)が1本化すれば、有利に働くことは確か。その逆もありえるが」と話す。いずれにせよ、候補者の統一がかぎとなっている。
21世紀新風会も候補者擁立に向け、動きが活発化している。保革の枠にとらわれず、政策重視の観点から複数の候補者と接触しているが、現時点では明確に候補者を絞り切れていない。
関係者によると「候補者選びが長期化すれば、新風会の代表である、新里聡市議(64)の可能性もある」と見ている。
保革とも、候補者の一本化を図ることが選挙戦を展開する上で至上命題。分裂選挙では、有権者の戸惑いを招き票の分散を防ぐことができないからだ。
このことから、候補者の擁立に向け保守系、革新系、中立系が水面下で激しい駆け引きを演ずる可能性がある。
市議会議員の一人は「保守系も革新系も仮に県議選で候補者の統一が図られず分裂選挙となった場合、今後の選挙に大きな影響が出る」と語った。