行雲流水
2016年2月25日(木)9:01
【行雲流水】マル経資金
十六日祭は、故郷を離れた血縁者との再会の場でもある。帰省者のふるさとへの想いは深い。旧懐談ばかりでなく、時には、現在進行形のテーマについても直言したりする
▼宮古の観光関連産業の振興に関する話題もその一つだ。「挑戦する意欲」と「実現のための資金」の両方が必要だという。だが、銀行で担保だの保証人だのと詰められると意欲が鈍る。その点、無担保・無保証・低利の「マル経資金」を使えばよいとのことだ
▼正式名称は「小規模事業者経営改善資金融資制度」。沖縄公庫の制度だ。小規模事業者とは、従業員20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の法人・個人事業主のことだが、マル経資金の場合は、サービス業のうち宿泊業・娯楽業の従業員要件は20人まで緩和されている。融資上限額は2000万円
▼窓口は商工会議所や商工会。会員でなくても利用できる。ただし、経営指導員の指導を受ける必要がある。いわば無担保・無保証の代理責任を商工会議所等が負うような仕組みだ
▼計画書づくりは苦手でも、作成過程で自社の強みと弱みが分かってくる。小規模事業者にとってはステップアップの第一歩だ。また、自己資金が潤沢であっても借り入れ計画をつくって審査会議にかけ、事業計画全体の妥当性を判断してもらうという利用方法もある
▼宿泊施設や食事の質の改善、土産品の開発、接客態度の改善などに取り組むことで顧客満足度は向上する。観光客1人当たり消費額は、観光関連産業の質のバロメーターなのかもしれない。