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行雲流水
2016年4月21日(木)9:01

【行雲流水】(体験研修)

 研修といえば座学をイメージしがちだが、沖縄ツーリスト社の新人研修は「客としての体験研修」から始まるという。4月から6月までの3カ月間、同社の添乗員付きツアーに客として参加。7月1日の入社式に、ツアーに対する評価や改善すべき点などをまとめたレポートを提出するという

▼どのツアーを選択するかは自由。詳細は不明だが、おそらく支援金額(無償)は同社の商品定額プラス日当、参加回数は県内6回、国内3回、海外1回程度であろう。また、同社のホテル予約サイトを利用して県内ホテルを予約し、実際に宿泊することも求められている

▼普段は、自宅のある市内のホテルに泊まることはめったにない。泊まったことのないホテルの設備やサービスの水準を知らないまま、無責任な「おすすめ」をすれば信用を失うことに。新入社員に自社商品の顧客満足度を実感させ、「商売の原点」を修得させるねらいがあるようだ

▼思い出す情景がある。海洋博覧会を控えて県が主催した宿泊客受け入れ体制整備に関する委員会でのこと。ホテル・旅館協会や行政機関の幹部、大学教授などで構成する委員会で、S委員の提案がすべて採択された

▼S委員は事前に那覇市内の有名ホテルを自費で泊まり歩き、客としての実体験をしていた。設備だけでなく従業員の制服のセンスや接客態度についても比較・言及。提案には説得力があった

▼灯台下暗し。新入社員のフレッシュな感覚での学びや提言は、組織のリフレッシュに大いに貢献するであろう。脚下照顧(きゃっかしょうこ)。

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