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行雲流水
2016年4月26日(火)9:01

【行雲流水】(名著の世界を楽しむ)

 
 NHKテレビテキスト「100分de名著」は古今東西の名著の核心を読み解くというもので、月に1冊を取り上げ、4回にわたってテレビで放送している。取り上げられる名著は『徒然草』や『枕草子』、『歎異抄』や『相対性理論』など、多岐にわたる


▼男と女の問題は千年前も今もそう変わらないようである。当時は、恋する女性の家には午後11時ごろ行って、午前5時までには帰った。顔を周囲に見られると、後がうるさいからである。裕次郎の歌では、しのび合う恋を包む夜霧に感謝している

▼清少納言は「美男のお坊さんの顔をじっと見つめてこそ説教のありがたみもあるものよ」と言い、兼好法師は「恋心の動かないような男は玉の盃に底のないようなものだ」と書いている。二重底の友人から電話がかかってきた。「きれいな看護師がいるので、最近病院にいくのが楽しい」

▼法然の教えが嘘で地獄に行くことになったとしてもそれでいいと言った親鸞(しんらん)は「善人なほもって往生をとぐ。いわんや悪人をや」という逆説的な言葉を残している。「善人」は自力で往生しようとする人で、彼らは仏にすべてを任せようとする「他力」の心が希薄である人を意味しているようである

▼特殊相対性理論によると、動くものの時間は遅れるから、高速で宇宙旅行をして帰ったら地上の息子が自分より年上になっていることもありうる。いわゆる「浦島効果」である

▼「そういえば、あの本のこと、何も知らずに生きてきた」という本の帯の言葉を、最近実感している。

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