行雲流水
2016年6月14日(火)9:01
【行雲流水】「ムヒカのスピーチ」
2012年、「国連持続可能な開発会議」で南米の国ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカの行ったスピーチが世界中で感動を呼んだ。また、この4月、テレビは「世界一貧しい大統領ムヒカ来日、緊急特番-『日本人は本当に幸せですか-』」を組み、絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』が出版された
▼ムヒカは語っている。『私は自分を貧しいとは思っていない。質素な生活に満足しているだけだ。質素であるのは自由でいたいためだ』。「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲しがり、いくらあっても満足しないことです」
▼現代文明のつくりだした社会では、大量消費が利益社会を維持する仕組みになっていることやゆがんだグローバル化を指摘、述べている。「わたしたちは、できるだけ安くつくって、できるだけ高く売るために、どの国のどこの人々を利用したらいいのだろうと、世界をながめるようになった」
▼「人は豊かになるために、情け容赦ない競争を繰り広げる世界にいながら『心をひとつに、みんな一緒に』などという話ができるのでしょうか」
▼「わたしたちは発展するためにこの世に生まれてきたのではない。幸せになるために生まれてきたのです」-人と人とが幸せな関係を結ぶこと、子どもを育てること、地球上に愛があること-
▼大学の講演では呼び掛けた。「市場万能の時代に惑わされず自らを律して生きること。利己主義を排し、自己の心の声に従って、不公平な社会を正し、より良い世界のために、他者と連帯すること」。