行雲流水
2016年6月30日(木)9:01
「EU離脱」(行雲流水)
英国民は、EU(ヨーロッパ連合)からの離脱を選択した。難民や移民の受け入れで雇用の場や福祉予算がうばわれているとして、キャメロン政権へ不信任をつきつけた
▼その余震が世界をふるわせている。株価は急落、円は急騰。日本経済の先行きにも暗雲が立ち込めた。回りまわって宮古経済への影響が出て来ないとも限らない
▼景気後退は国内観光客の出足を鈍らせ、円高の進行は外国人観光客増加のブレーキになる。株価の低迷は年金基金の目減りをもたらし、年金支給額の減額圧力となる
▼砂糖やサトウキビ原料代は、砂糖の国際相場と連動している。国際金融市場としてのロンドンの地位が低下すると、ロンドンの先物・金融インフラ(情報収集、分析、発信能力や機構)の劣化をもたらすであろう。その結果、砂糖相場の乱高下をまねき、糖価調整制度に揺らぎが生じるかもしれない
▼賢者は先を見通し、愚者は後で騒ぐという。投資の先見性について述べた言葉だが、庶民の選択行動についてもあてはまるのではないだろうか。EU離脱騒動は宮古経済と無縁だ、とは言い切れない
▼宮古経済のボリュームは、外貨(島外からの資金流入)によって左右される。農畜産物の移出、観光収入、政府支出(交付金、補助金、国の直轄工事、公務員給与など)、島外からの民間投資、年金等だ。これらの項目に影響を及ぼす動きには注目しておく必要がある。もちろん一方では資金流出を防ぐための努力、たとえば地産池消の仕組みをつくる努力を忘れてはなるまい。