【人生雑感】人間は尊い価値ある存在であり、各人使命と目的を負わされた存在である
沖縄国際大学名誉教授 福里盛雄
1 人間は尊い価値ある存在である
人間の価値は、誰が与えたのでしょうか。人間の価値が私たち人間の考えの基準に従って定まるなら、人間の価値は、人種、宗教、文化、男女、生まれた場所、時代によって異なってきます。
そのように、人間の価値判断の基準による人間の価値評価は、相対的になり、不変的絶対的価値とは言えません。不変的絶対存在者によって賦与され、尊いと認められた価値こそ、誰も奪うことが許されない価値なのです。
人間を創造した神は、私たちをご自分のかたちに創造されました。創造された人間の姿をご覧になり、そして大変よいと喜ばれました。そして、地上の万物を管理し、その秩序を維持する権限を与えられました。このように、私たちの創造者は、人間にすべての生き物より、高い尊い価値を与えました。神のことばである聖書は、人間はどんな人でも平等で高価ある尊い存在であると明記しています。人間が尊いのは、人々を幸せにするために果たすべき使命と目的を負っているからです。
2 人間は、生きる使命と目的を負わされた存在である
人は、自分の使命と生きていく目的を明確に認識して生きていくときは、どんな困難や苦しみにも耐えていく力を発揮します。その困難や苦しみによって、品性がますます魅力に満ちてきます。
人生の使命や目的を達成するために多くの困難と苦しみを体験した人は、語るたびに、豊かな教訓を与えてくれます。そうでない人は、語るに値しないのです。
今日の社会では、生きていく使命や目的が分からず、自分は何のために生まれ、生きているのか、と自問自答している人が多い。そんな人は、毎日の生活に対して無気力になり、無感動になり、空虚な人生を過ごすことになります。
現代の人々が、自分の生きていく使命や目的について明確な確信を持つことのできないのは、それについて、真剣に考えようとしないからだと思います。それについて考えなくても肉体的には生きていけるからです。物質的には豊かになったがために、人間の思考能力は栄養欠乏の状態となり、内部的精神状態は、貧しくなってしまったのです。そのような人は呼吸はしていても死んでいると同じです。人が内外ともに魅力ある人間になるためには、人生の生きる使命、目的に向かって賢明に頑張ることです。そのような生き方こそ人に強い感化を与えます。
私たちは、尊い価値ある人間として創造され、各人に果たすべき使命と生きていく目的が課せられ、この地上に存在する特権が与えられました。その使命・目的とは、社会を照らす光となり、人々を幸せにするために活動することであります。それが、自分を愛し、社会を愛することになります。言い換えれば、これが、私たちの創造者である神の本質と一致した生き方です。なぜなら、神の本質は愛だからです。
その使命と目的を達成するためには、そのことを優先順位においた生活設計をしなければなりません。人生の生きていく使命・目的を正しく実現するためのマニュアルは、神のことばであり、私たちの創造者は、私たちに生きる使命と目的を与え、その実現するマニュアルを定めています。
私たちは、自分の使命と目的を認識し、他人と比較することなくひたすら、その使命と目的を実現して、他人と共に幸せな生涯を築きたいものです。