行雲流水
2016年8月23日(火)9:01
【行雲流水】(オリンピックと高田充の活躍)
平和とスポーツの祭典第31回オリンピック(リオオリンピック)は盛会裏に行われ、昨22日閉会した。オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、スポーツを人類の調和のとれた発展に役立てることにある(オリンピック憲章)
▼オリンピックのモットーは「より速く、より高く、より強く」であるが、近年は「より美しく」も人を魅了するようになった
▼肉体と意思と精神を鍛え、そのすべてを結集して、高みを極めた選手たちを称えたい。その一人、テニスの錦織圭は96年ぶりの五輪メダルを日本にもたらした
▼勝利の直後、錦織はコーチとタッチを交わし感激をともにした。そのコーチは宮古島出身の高田充であった
▼高田は小学4年生のころから父親の高田憲からマンツーマンの指導を受けた。高校時代はよきスポーツマンとして成長、県の高校総体で選手宣誓を行った。亜細亜大学卒業後はプロとして活躍、2002年には、杉山愛とダブルスを組んで全日本選手権大会で優勝した。日本テニス協会公認S級エリートコーチの資格を持ち、今回のオリンピックでナショナルチームのコーチを務め、錦織の活躍を支えた。高い山のすそ野は広い。今回の快挙が、テニスの普及に果たす効果はきわめて大きい
▼格差の拡大や絶えることのない紛争、軍拡競争など、今、地球は病んでいる。オリンピックの華やかさが、これらの矛盾を覆い隠すものでなく、人間の尊厳に光を当てるものとして発展してほしいと思う。