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行雲流水
2016年10月25日(火)9:01

【行雲流水】(ボブ・ディランのメッセージ)

 世界は混迷を深めている。先進国の典型・アメリカでは、富の半分を握る1%の富裕層が政治を支配し、格差と、貧困層は拡大するばかりで、15%の住民は食糧費がまかなえず公的「食糧切符」をもらって暮らしている

▼一方で独裁国家の典型・北朝鮮は、国民の多くが飢えているのに、原爆や弾道ミサイルの開発に余念がない。内戦や難民問題は矛盾の吹きだまりである

▼世界平和のために軍縮を主導する国もない。そればかりか、米ロ等の軍事大国は「正義の名で地獄を輸出する」と言われる死の商人として経済的利益を手にしている。巨大軍需産業と癒着した政府には軍縮は望むべくもない

▼現防衛大臣は、アメリカ軍の日本への駐留は、アメリカの国益のためにあると、過去に主張している。本音の認識だろう。「沖縄の米軍基地」はアメリカの巨大軍需産業と世界戦略のためにある。その戦略の検証はなぜかなされていない。ボブ・ディランの歌の言葉を借りると「いったい何回、人々は顔をそむけ、見えないふりをするのだろうか」

▼ベトナム戦争反対と公民権運動を支援するために歌ったと思われるボブ・ディランの「風に吹かれて」は歌う。「どれだけの砲弾を発射すれば武器を廃絶する気になるのか」、「何人死んだら気づくのだろう、あまりに多くの命をなくしたと」。-「その答えは風の中に吹かれている」

▼200万人が犠牲になったベトナム戦争では、嘉手納基地から出撃したB52爆撃機が連日、ベトナムの空に爆弾の雨を降らしたのだった。

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