行雲流水
2016年12月6日(火)9:01
【行雲流水】(世紀の偉人)
テレビでは、時に思いもかけずいい番組に出合うことがある。一日、そういう番組を、立て続けに視聴する機会を得た
▼そのひとつはNHKのハイビジョン・スペシャル「世紀を刻んだ歌『イマジン』」である。ジョン・レノンのこの曲は、国家や宗教や所有欲によって起こる対立や憎悪を無意味なものとし、ユートピア的な世界を思い描き共有すれば世界は変わる、と訴えている。「想像してごらん、皆がただ平和に生きていることを」。米国へのテロがあった後、この曲は放送を自粛されたりしたが、今でも世界中で広く愛唱されている
▼次に、コズミック・フロント「天文学の革命児!エドウィン・ハッブル」である。ハッブルは、宇宙には無数の銀河が存在し、それぞれの距離に比例した速度で膨張していることを明らかにした。当時は、宇宙は私たちの属する「天の川銀河」ひとつだと考えられていたので、彼の宇宙観は従来の宇宙観を根底から覆したことになる
▼次はBS朝日の「昭和の偉人伝」・(賀川豊彦)である。賀川は大正から昭和にかけて、社会運動家として、弱者の救済に取り組んだ。アメリカのある本ではガンジー、シュバイツァーと並んで20世紀の三大聖人と称えられた。彼はまた労働組合、生協、農協などの現在まで続く日本の共助の基礎を築いた。ノーベル賞の候補に三度あがっている
▼彼らはそれぞれの立場で、さまざまな苦難を乗り越え、努力して栄光をつかんだ
▼偉人は、後の世に大きな影響を及ぼし続ける。