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【特集】新年号
2017年1月1日(日)9:02

43年ぶり復活で県団体V/宮高体操同好会

1年生3人で結成/全国大会目指す


43年ぶりに発足した宮高体操同窓会の左から山﨑、西里、与那覇。右は指導に当たる伊佐教諭

43年ぶりに発足した宮高体操同窓会の左から山﨑、西里、与那覇。右は指導に当たる伊佐教諭

 昨年10月、県高校新人体育大会の体操団体競技で「宮高男子優勝」というニュースが突然飛び込んできて周囲を驚かせた。同校の1年生3人が昨年5月に同好会を立ち上げてわずか半年での快挙だ。実はこの大会の体操団体に出場できたのは宮高一校しかなったことによる優勝だが、県内で唯一、団体を構成できたのも宮高ということになる。体操に対する熱い思いを持った3人が宮古から沖縄体操界に新しい風を吹かせている。


 同好会のメンバーは全員1年生の山﨑太陽、西里響、与那覇勇樹の3人。身体能力に自信のあった山﨑が中学時代にネットで、アクロバット動画や体操の内村航平選手の活躍を見て体操に興味をもったのが同好会発足の原点だ。

 高校に進学した山﨑は、体操部を発足させようと動き出し、宮古総合実業高校で体操部を指導する伊佐義史教諭に指導を求めた。

 その後、宮高側から同好会発足の許可を受け、与那覇と西里とともに体操同好会をスタートさせた。

 指導に当たる伊佐教諭は、「世界ラート競技選手権大会」に日本代表で出場し、団体戦で銀メダルを獲得した経験を持ち、それを3人の飛躍に生かそうと指導を決断した。

 山﨑は「身体能力に自信があったので、中学時代にアクロバット的な技を披露するとみんな驚いて、喜んでくれたのが同好会発足の原点。まだまだ練習量は足りないことを昨年の県大会で痛感したがやる気もさらに沸いてきた。今後は県外の大会で上位を目指し、全国大会で競えるような力をつけたい」と笑顔になった。

 同好会を一緒に立ち上げた与那覇は「この3人で頑張って高校3年間でなんとか全国大会で戦えるレベルになりたい」と決意を示した。

 西里も「太陽が体操部をつくるという話を聞いて自分もやりたいと思った、難しい技ができるようになった時の達成感が体操の魅力」と話した。

 男子の種目は床運動(ゆか)・鞍馬(あん馬)・吊り輪(つり輪)・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目。しかし、その設備や器具など宮古では練習環境が整っていない。

 3人の練習は宮総実の体育館だが、十分な設備がない状況で指導する伊佐教諭が知恵とアイデアで練習環境を整備し日々の練習に励んでいる。

 床運動はマットで代替。「あん馬」はバスケットリングにひもを引っかけてバケツを縛り、そのバケツに足を入れて練習する。

 跳馬は跳び箱を利用し、平行棒はイスを用いて対応するなどアイデア満載だ。

 伊佐教諭は「何もない中で3人はよく頑張っている。みんな宙返りなどに対する恐怖心がないので技ののみ込みも早い。昨年の県大会出場で初めて触れる器具などもあり、良い経験になったと思う。今年はしっかり基本を身に付けさせて、レベルアップを図りたい」と話した。

 昨年のリオ五輪でも大活躍した体操の日本代表。南の小さな島で、43年ぶりに復活した体操同好会は5月ごろには部活に昇進する見込みで、今後の活躍が注目となっている。

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