行雲流水
2017年2月7日(火)9:01
【行雲流水】(世界平和アピール)
雑誌『青鞜』を創刊、「元始女性は太陽であった」と論説を載せ、女性の解放を主張した平塚らいてう、核兵器の廃絶を訴えた「ラッセル・アインシュタイン宣言」に署名して平和運動に尽力した湯川秀樹、それに平凡社の創業者の下中弥三郎らは1955年「世界平和アピール7人委員会」を結成した
▼結成当時は冷戦時代であったが、現在もなお、軍拡競争が行われ、世界は混沌として、混迷を続けている。委員は変わっても会は、平和と人権、民主主義と、日本国憲法擁護、核兵器廃絶などについて、おりに触れてアピールを発表、その数は2016年までに120本を超えた
▼当然のことながら「沖縄」も取り上げられている。2015年には「辺野古問題を直視し、沖縄の人たちと連帯を強めよう」というアピールがなされている。昨年の11月には、講演会「沖縄は日本なのか-(平和)を軸として考える-」が開催された
▼講演の中で大石芳野委員は、東村高江地区のヘリパッド建設に触れ、「沖縄戦の傷は今も残っている。戦争はまだ終わっていない」と訴えた
▼「異化する沖縄」と題して述べた高村薫委員は、国に対する負の住民感情を述べ、名実ともに、沖縄は日本だと言えるようにすべきだと語った。杉田敦教授は、沖縄の戦後史に触れたあと、「沖縄のことは関係ないと思うことが一番問題であり、本土のメディアの関心も薄いと指摘した
▼正常な沖縄を要求する県民の声は、世に正義がある限り、決して孤独ではない。