その昔、チョコレートは、神様への供え物であったり、王族の嗜好（しこう）品であったが、今では世界中の人々に愛好されている

▼１８世紀、フランスの外交官タレーラン曰く「よいチョコレート、それは悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、恋のように甘い」

▼今日２月１４日は「聖バレンタインデー」である。バレンタイン司祭は、皇帝から禁じられていた結婚について、その命に背いて結婚式を行い、恋人たちの守護聖人となった。チョコレートを食べると、恋愛ホルモンとも呼ばれるホルモンが脳から分泌されるというから、この日にチョコレートをプレゼントすることは理にかなっている

▼この日のチョコには、本命チョコ、義理チョコ、友チョコなどいろいろあるので、義理チョコのふりをして本命チョコを手渡すこともできるので都合がいい

▼この日の定番に「ゴディバ」チョコがある。ゴディバの夫伯爵が課す重税に領民は苦しめられていた。心優しいゴディバは税金を下げるよう何度も訴える。議論に疲れた伯爵は告げる「おまえが一糸まとわぬ姿で馬に乗り町を廻ったら言うことを聞こう」。翌日彼女は一糸まとわぬ姿で町を廻る。すると領民たちは、彼女の姿を見ないよう窓を閉めて、敬意を表した。伯爵は約束を守って税金を下げた。チョコレート「ゴディバ」の創業者は彼女の勇気と深い愛に感銘し、自らのブランドに彼女の名を冠した

▼とまれ、チョコが悪魔になるか、天使になるかは、もらう人の自己責任、または運命である。