行雲流水
2017年3月7日(火)9:01
【行雲流水】(学び方の改革)
21世紀は、知識を基盤とする社会であり、新しい知識や情報、技能の重要性が加速度的に増していく。当然、それに対応する教育の在り方も変革を迫られる
▼ユネスコの「21世紀教育国際委員会」は、未来の学習の柱として、単なる知識の詰め込みではなく、「知ることを学ぶ」、「為(な)すことを学ぶ」、「共に生きることを学ぶ」、「人間として生きることを学ぶ」の四つをあげている
▼このような国際的な動向に呼応して、昨年末に新しい中教審答申がでた。2020年から実施される学習指導要領のベースになる文書である。その中で重視されていることが「学び方の改革」である。何を学ぶか(内容)だけでなく、どのように学ぶか(プロセス)が重要で、知識の伝達・注入を中心にした受動的な学習ではなく、能動的学習(アクティブ・ラーニング)が求められている
▼「深く、対話的に、主体的に学び」、資質・能力を身につけ、生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材の育成が期待されている
▼改革を進めるには、それなりの条件整備を要する。OECD(経済協力開発機構)によると、日本の教育予算は下から2番目(32位)で、教師の、勤務時間は調査参加国中最も長い。管理体制や子どもの貧困化の問題もある。入試は答申に沿って確実に改革されることを要する
▼環境を整備、その中で教師は自主的、創造的に時代の要請に応え、政治も、社会も次代を担う子どもたちの育成を最重要課題にすべきである。「教育は未来への投資である」。