行雲流水
2017年3月9日(木)9:02
【行雲流水】(観光と雇用)
2016年のクルーズ船客は12万人、経済効果は約3億9千万円との報道があった(2月19日琉球新報「けいざい風水」・沖縄銀行宮古支店長)。時宜を得た興味深い記事だ
▼クルーズ船客の経済効果は、1人あたり3250円ということになる。これで、先日の小欄で試算した観光消費総額398億円(51万人×7万8113円/人)を修正することができる
▼2016年度の入域観光客数50万人からクルーズ船客12万人を控除すると39万人。これに観光客1人あたり平均消費額7万8113円を乗じると305億円。クルーズ船客分約4億円を上乗せすると宮古の観光消費総額は年間309億円となる
▼観光の雇用誘発係数(18人/1億円 沖縄県)を掛けると約5500人の雇用誘発効果があったことになる。宮古の就業者数は約2万5000人(第1次産業約5500人、第2次産業約3500人、第3次産業約1万5000人)。就業者総数の22%は観光客で支えられていることになる
▼来月発表される2017年度観光統計では、観光入域客の構成比(県外、県内、クルーズ船客)と1人あたり消費額の動向に注目したい。観光を牽引車とする宮古経済の発展には「伸びしろ」がある
▼観光の経済効果を高めるためには、たとえば土産品の開発・改良に取り組むことなどが肝要だ。専門家招へい事業など国・県補助金制度の周知・活用促進は、市役所や商工会議所等の仕事だ。役所や指導機関の熱意と企業の意欲、金融機関の支援があいまって発展が加速されていくであろう。