行雲流水
2017年3月21日(火)9:01
【行雲流水】(イチャリバチョーデー)
東日本震災から6年が経過したが、復興も道半ばで、故郷を失い、帰りたくても帰れない人たちもまだ多い。何よりも原発事故について分からないことが多く、とてもコントロールできているとは言い難い
▼そうしたなかでも、被災者に対する救援の手も各地で差しのべられてきた。沖縄県では、被災地からの避難民を、渡航費と宿泊費を無料で、3000人を目安に、受け入れてきた
▼ここ宮古では、放射線汚染の残る福島県の子どもたちを親と共に宮古島に招く資金造成を目的に「笑顔カレンダー」を製作販売している。このカレンダーの各マスに希望者の写真を掲載するもので、掲載には500円の寄付を要する。製作したのは市民グループ「うむい宮古島」(藤井一郎会長)で、これまでに招いたのは39家族、136人である
▼主催する福島支援ボランティア「しましまピース」(代表・瑞慶山麗子)は福島から招いた方々と親しく交流を深めており、その輪を広げるため、昨日、宮古バプテスト教会で「無料フリーマーケット」や「子ども祭り」を開催した。会場には多くの市民、子どもたちが駆けつけ、楽しみながら交流を深めた
▼こうした善意の人々のいる一方で、各地の避難先で子どもたちが「いじめ」で傷つけられている。ヘイトスピーチと根は同じで、異質のものを排除する社会のゆがみを反映している。圧倒的な正義の力の広がりと深化が求められる
▼沖縄には「イチャリバチョーデー」ということばがある。「(一度)出会えば兄弟」という意味である。