行雲流水
2017年4月4日(火)9:01
【行雲流水】(旅立ちのとき)
4月は、旅立ちと別れのとき。幼稚園からは『思い出のアルバム』の歌声が聞こえてくる。春、夏、秋、冬の思い出を歌い、続いて歌う「一年中を思い出してごらん、あんなことこんなことあったでしょう。桃のお花もきれいに咲いて、もうすぐみんなは一年生」。入学する1年生から始まる学校生活が楽しく、各年齢相応の発達課題が充足されるものでありたい
▼その前に、幼稚園は、親しい人間関係の中で、人間らしい理性や感性、人への愛情が芽生えるところであった。フルガムのエッセー『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』は、大きな反響を呼んだ
▼人の生き方について、「何でもみんなと分け合うこと」、「ずるをしないこと」、「人をぶたないこと」などと並んで「不思議だな、と思うことを大切にすること」などがあげられている
▼小学校では、国民が共通に身につけるべき公教育の基礎を学び、中学校では、豊かな人間性、創造性および健やかな身体を養う。それらに加えて、高校では、「社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて、将来の進路を決定させる」(学校教育法第51条)
▼すべての児童生徒がその可能性を十分に開花させることは本人の最大の望みであるとともに、社会の健全な発展にとっても不可欠である。昨今、子どもの貧困問題が議論されているが、貧困は機会の不平等の最たるもので、「学ぶ機会の平等」を保障することが社会の重要な課題になっている
▼子どもは、現在と未来の宝である。