行雲流水
2017年4月6日(木)9:01
【行雲流水】(退職金の生かし方)
4月は世代交代の季節でもある。サラリーマン社会では新規就職者とほぼ同数の退職者が出る。退職には退職金が伴う。その使途は人それぞれだが、まずは「ローンの清算」で一息つくことに
▼なお余裕があれば、マンゴー栽培や株式取得で増殖を図るのも一興か。しかし、「武士の商法」という前車の轍(てつ)もある。結局、「とりあえず銀行預金に」。直接投資よりも、その道のプロである銀行に〝おまかせ〟することが得策のように思えてくる
▼地元の銀行へ預ければ、地元の企業や個人に融資して地元経済の活性化にも役立つはずだ。しかし、実態はそうはなっていないという
▼宮古の地方銀行資金量(預金、返済金など)は1171億円、融資量は536億円、預貸率46%だという。資金量の46%しか活用されていない。ちなみに、八重山の預貸率は72%、沖縄県全体は69%である(沖縄振興開発金融公庫「沖縄経済ハンドブック」2015年度版)
▼このことは、宮古の資金需要がいかに少ないかを示している。経済活動が活発ではないということだ。その要因はどこにあるのか。事業家は「意欲はあるが資金が無い」と言い、金融機関は「貸したいが事業計画が甘い」と言う
▼皆が殿様気分でいては、展望はひらけないのでは。金融機関は親身になって計画づくりを手伝い、事業家は第三者の知見をも消化していく―進取の気性を発揮してほしいものだ。双方が謙虚に努力し合ってこそ、活力が生まれるはずだ。現役の皆さんには、機会を逸しないよう頑張ってほしい。