行雲流水
2017年4月20日(木)9:01
【行雲】(トライアスロン)
トライアスロン大会の準備たけなわだ。今年は第33回大会。出場選手は1661人だという。第1回大会は241人だった。大会の発展を支えてきた選手・市民・スタッフ・支援企業の皆さんに敬意を表したい
▼今では幼稚園児でも知っているトライアスロン。第1回大会(1985年)の頃はほとんどの人が知らなかった。競技内容を聞かされても、そんな過酷なレースに挑戦する人がいるのだろうかといぶかるばかり。アイアンマン、ストロングマンという言葉にもガリバー旅行記の世界を夢見る心地がしたものだ
▼だが、いざ実施されると宮古島全体が熱気につつまれた。強いもの見たさ、珍しいもの見たさの好奇心だけではなかった。島全体を駆け巡る選手との一体感が脈打っていた
▼宮古人気質の〝あららがま魂〟(なにくそ! 負けてたまるか)を呼び覚まされたのかもしれない。その証拠に、沿道で応援する掛け声は「わいどー、わいッ!」(ネバー・ギブアップ)だった
▼トライアスロンは、1977年にハワイで生まれたスポーツ。宴席で「マラソン、遠泳、自転車ロードレースのどれが一番過酷か」議論したが比較ができず、「この際まとめてやってみよう」となったのが始まりだという
▼宮古島大会はそのときのアイアンマン・ディスタンス(長距離)を継承した伝統ある耐久レースだ。オリンピックは運営上の都合で宮古島大会の半分程度の短距離で行われている。選手の皆さんには、体調に留意しつつ〝ほんまもの〟の耐久レースを満喫してもらいたい。