行雲流水
2017年5月2日(火)9:01
【行雲流水】(希望の輪)
ゴール付近には、完走したトライアスリートを称える人の輪が幾つもあった。パーティーでは、大会を成功に導いた選手、役員・ボランティアの、喜び合う輪があった。沿道のあちこちでは熱烈に応援、その後、応援はテーブルを囲んだ隣人同士の親睦の輪になっていた。空港では三々五々帰路に向かう選手を囲んで、別れを惜しみ、再会を誓う人々の輪があった。空高く打ち上げられた花火は祝砲で、その響きの余韻が残る
▼輪はそれだけではない。ある学校では内外の選手を囲む交流の輪があった。また、多くの子どもたちの心の中に、ある決意、未来に向かう「希望の輪」が芽生え、渦巻いた
▼以前、生徒が作文に書いている。「僕は難しいことがあるとすぐあきらめてしまう。しかし、大きいことに挑戦、困難を克服して目標を達成することの素晴らしさをアスリートたちから学んだ」。「彼らは成績(順番)が悪くても、全力を尽くして頑張っていた」
▼交流会で「簡単な英語で話してみると外国人に通じた。交流が楽しくなり、言葉の大切さが分かった。これからは英語を本気で勉強していきたいと思う」
▼この大会は地域活性化のために始まった。住民の自立、自助の意識の高揚や島のイメージアップ、経済効果と並んで教育文化への波及効果も想定された
▼学校での作文集発行や話し合い、DVDの視聴。郷土文化と競技者の思いと逸話、諸資料等をコラボした記念誌の発行など、主催者、実行委員会の組織的、創造的、さらなる取り組みへの期待は大きい。