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行雲流水
2017年5月23日(火)9:01

【行雲流水】(「教公2法」廃案)

 琉球新報社の「沖縄戦後新聞」は米施政権下の27年間に、沖縄で起こったさまざまなことを取り上げている。そのひとつ、1967(昭和42)年2月24日号は、「教公2法廃案」を取り上げている

▼教公2法(「地方教育区公務員法」、「教育公務員特例法」)案の強行採決に反対する教公2法阻止県民会議の2万人以上が立法院を取り囲み、実質的に廃案に追い込んだ出来事である。その時、教育研究集会参加のため那覇に行っていた宮古の教員たちも、議員室で仮眠、午前3時から集まり始めた集会に参加した

▼当時、沖縄教職員会(屋良朝苗会長)は、教育の復興と本土教育との格差是正、沖縄の基地恒久化に反対し、復帰運動の中核を担っていた。教公2法には、松岡政保行政主席、与党・民主党の、体制維持と、立法院選挙戦を有利にするため、教員の政治活動を禁止するという意図があった

▼2法を廃案にした勢いは、主席公選での屋良朝苗主席誕生と日本復帰実現につながっていく。屋良主席の訴えは、平和憲法のもとで、人権が守られ、核も基地もない平和な沖縄だった。しかしそれは受け入れざれず。復帰後も、他府県にある基地が整理縮小される中で、沖縄の米軍基地は増強の一途をたどった

▼そして現在、「沖縄の状況はきわめて差別的であり、著しい人権侵害であり、沖縄の自己決定権を侵害している」と国連機関からも指摘されるありさまである

▼祖先伝来の土地を守り、人権を守るために県民が闘った苦難の歴史を思うと、現状の不条理はあまりにも不当である。

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