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花は島色
2017年6月7日(水)9:01

【花は島いろ】國仲 健次さん(67歳)/与那原町東浜自治会長

宮古を鏡に地域一丸


國仲健次さん

國仲健次さん

 【那覇支社】「『ふるさと』宮古島のことを忘れたことはない」と話すのは、現在、与那原町の東浜自治会長を務める國仲健次さん(67)。

 上野豊原出身で、上野小・上野中を卒業後、埼玉県にいる兄を頼って同県の不動岡高校へ進学した。当時の宮古での暮らしについては、誠実で真面目な祖父に育てられたこと、水は井戸からくみ、まきで火を起こす生活だったことなど、今とは違う厳しい環境で育ったことを懐かしんだ。

 結婚を機会に本土から浦添市に移り、その後、長女の小学校進学に合わせて宮古島の鏡原野原越に戻った。そして、みどりケ丘珠算学院を開業し、約20年にわたりたくさんの生徒を指導してきたという。「多くの教え子がいるが、彼らの活躍を新聞などで目にする機会もあり、成長を感じて大変うれしい」と目を細める。

 与那原町東浜に移住したのは2005年。子供たちが沖縄本島の高校へ進学したことがきっかけだった。その3年後の08年には同地区の自治会を結成し、初代会長となって現在に至る。

 就任後は、東浜で育つ子供たちの良き故郷になるよう、交通安全部や防犯部・防災組織を結成して治安を守る活動を行ってきたほか、小学生が安心して登下校できるよう防犯ベルの配布も行うなど安心・安全な町づくりを実践してきた。

 その結果、「就任当時は、埋立地に草が生い茂っている状況で70世帯ほどだったのが、今では他市町村や県外・海外からの移住者も増えた。子育て世代を中心に約1700世帯・4000人が住む町に成長した」と誇らしげに語る國仲さん。住民と地元企業が一体となって活動してきたことが要因と話す。そして、「私の考えの根底には宮古で育ててくれた祖父の教えがある」と目頭を熱くした。

 来年は自治会が結成10周年を迎えるため、他の自治体が注目するまでに成長した軌跡を振り返る記念誌の発刊も予定している。それに向け、今年10月22日には地区の住民が中心となって出演する歌謡ショーも企画されており、現在その準備に奮闘する日々を送っている。

 今後について國仲さんは「私の故郷が宮古島であるように、東浜で育つ子どもたちにとって自慢の『ふるさと』になるよう、宮古島を鏡に地域一丸となって、これからも尽力したい」と決意を新たにした。

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