上野庁舎活用で市場調査/宮古島市
民間活力の引き出しで/急速保冷庫、加工施設想定
座喜味一幸市長は14日、市役所で会見し、取り壊しの方向だった上野庁舎を活用し、農水産物の加工流通施設の整備を目指す考えを明らかにした。事業の検討段階から民間事業者のノウハウや活力を生かすため、サウンディング型の市場調査を実施するとし、スケジュールを公表した。座喜味市長は急速保冷庫や1次加工施設を想定しているといい、「6次産業化には、生産された農産物が鮮度よく保冷、保管、保存されていることが重要」と話した。
サウンディングとは、事業の発案や検討段階から内容やスキームについて、民間事業者の意見や新たな提案を把握し、事業の検討を進展させる市場調査手法。市はサウンディングによって、施設整備に関わる官民の役割分担、管理運営の方法など、民間事業者から探りたい考え。
スケジュールは現地見学会・説明会が11月2日。参加申し込みは今月29日まで。サウンディング参加申し込み期限は11月12日で、同17日から30日まで実施し、結果の公表は12月下旬を予定している。
座喜味市長は「農水産物の加工や流通の仕組みを作ることで、食料の地産地消を推進し、地域経済循環の構築を目指す」と話した。地産地消のためには、加工や保管の拠点となる施設の必要性を指摘し、「農地が集積している地域の中央付近にある上野庁舎が適当」と判断理由を説明した。
また「宮古の農水産物が11月から5月にかけて集中的に生産される。年間を通した学校給食の自給率は18%程度。そんな中、6次産業化を目指すためには、拠点となる施設が不可欠。生産から加工、流通を含めた施設としていきたい」と意気込んだ。
サウンディング型市場調査に関する問い合わせは市産業振興局(電話73・1919)。