保護活動推進など宣言/国際サシバサミット開幕
国際サシバサミット2021宮古島(主催・市)が16日、2日間の日程で開幕した。市クリーンセンタープラザ棟会議室を主会場とするオンライン形式で行われ、初日は日本野鳥の会理事長の遠藤孝一氏による基調講演、「サシバの調査や普及教育、保護活動を推進する」などとするサミット宣言が行われた。
同サミットには宮古島市のほか、栃木県市貝町、鹿児島県宇検村、フィリピンのサンチェス・ミラ市、台湾の屏東県が参加。初日は基調講演のほか、宮古野鳥の会顧問の久貝勝盛氏による活動・研究発表、各地からの活動報告、首長サミットなどが行われた。
基調講演では「サシバも人も、地域も元気に~市貝町・サシバの里づくり」をテーマに遠藤氏が、市貝町が行っているサシバが繁殖する里山の環境保全と、その環境を生かした持続的な産業発展を目指す取り組みなどについて語った。
同町では、サシバの里づくりの基本構想を2013年度に、第2次基本構想・実施計画を18年度に策定。具体的な取り組みとして、▽豊かな里地里山環境を維持し増やす施策▽里地里山を生かした安心安全な農林業を増やす施策-などの5項目と、さらに細分化した22の施策を策定している。
遠藤氏は特色ある施策として、基本構想で示された取り組みを進める「サシバの里協議会」の設立、農産物直売や体験活動の拠点となる道の駅の開設などを挙げる。「サシバをシンボルにした社会的課題と生態系保全の両立を目指す取り組みは、近年注目されている自然に根差した解決策の考え方にも重なる。繁殖地、渡りの中継地、越冬地が連携しながら、さまざまな取り組みが行われて、地域全体に広がることを期待したい。それがサシバも人も地域も元気になることにつながると信じている」と語った。
サミット宣言は座喜味一幸市長により行われ、「サシバの繁殖地・中継地・越冬地全域における取り組みの重要性を認識し、国際的な協力・連携の下、サシバの調査や普及教育、保護活動を推進する」などとする4項目が宣言された。
基調講演の前には座喜味市長らがあいさつを行ったほか、愛知県の「劇団シンデレラ」が「宮古島 サシバの渡り」と題したミュージカルを披露した。
サミット2日目には各地の子どもたちの活動報告やサシバ保護の宣言などが行われる。