「あなたの一票大切に」/市議選
投票率低下を懸念/「人」「政策」で選ぶ選挙に
今回の市議会議員選挙は、宮古島市が誕生して節目となる5回目の選挙だ。過去4回の選挙を通して見えてくるのは、回を重ねるごとに落ち込む投票率だ。多くの候補者が地縁血縁票を軸に激しく選挙運動を展開する市議選はほかの選挙に比べて、圧倒的に有権者を投票に向かわせる効果は大きい。それでも有権者の意識は離れ続けている。新型コロナウイルス感染拡大の長引く影響で先行きが見通せない今こそ政治、市議の役割は重要。地縁血縁だけでなく、立候補した38人の政策や意気込みを見極めた一票が求められている。
これまでの市議選の投票率は、2005年の初回が市長選との同時選挙ということもあり、有権者の関心も高く85・86%%と高かった。
しかし、2回目(09年)は78・94%、3回目(13年)は76・60%、4回目(17年)は71・74%。初回から比べると14・12ポイントも下がっている。
今回は、途中から衆議院選挙が重なることから、期日前投票を1回で済ませたいとの思いもあってか、市議選の期日前の出だしは鈍かった。
衆院選の期日前が始まった220日からは、大きく延びてはいるものの、過去の傾向から市議選、衆院選とも前回に比べて下がる可能性が高く、今回の市議選は、初めて6割台になるとの見方もある。
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市議選の際に常に言われる言葉が「地縁血縁票がカギを握る」だ。過去の選挙戦でもそうした背景が色濃く反映されてきたともいえる。
もちろん、勝ち抜くためにはその要素は不可欠かもしれないが、市議会議員に求められているのは、知り合いの多さ、血縁の多さではない。
市議会議員は、市民の代表として市民の要望や意見を市政に反映させ、その方向を決めるという重要な役割を担っている。
今回選挙ではぜひ、立候補した38人の人物像や政策にも注目してほしい。
現職であればこれまでの議員活動はどうだったのか、新人や元職の候補は何を求めて立候補をして、どうやって新しい風を吹かそうとしているのかも見極めて投票することも大切だ。
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新型コロナで振り回されたこの2年間で、この島の未来は先行き不透明感が強まっている。
だからこそ、選ばれるべきリーダーには地縁血縁の多さだけでなく、この島の未来に対する明確なビジョンややる気、意気込みが必要だ。
今回選挙で当選した24人の市議の活動は、島民の未来に影響を与え続けていくことを念頭に、混沌(こんとん)とした未来を明るくするための一票を投じてほしい。