与党10人、野党12人/市議選結果分析
新勢力、新たな展開へ/中立系2人の動向も注目
与野党の勢力図がどうなるのかが最大の焦点だった今回の市議会議員選挙。定数24に38人が立候補し、与党系が現有5議席から倍増の10議席を獲得。野党系は19議席から7議席減らして12議席となった。また、中立系も2人が当選した。1月の市長選の結果と前市長逮捕の衝撃が走り、島内政治に大きな影響を及ぼした中で行われた今回の選挙結果は、新しい政治の流れが生まれる起点となり、新たな与野党勢力がどう変化していくのかが今後の焦点となりそうだ。
■ 与党
議席を倍増させることはできたものの、革新勢力内部の「しこり」は残ったままでの選挙戦となった。
座喜味一幸市政を支えることでは一致しながらも、「ワンチーム」の「推薦」を巡り意向がまとまらず、現職5人のうち、3人が推薦を求めないまま選挙戦に突入。
その結果、推薦を受けた現職2人は当選するも、受けなかった3人のうち2人が落選した。
革新勢力からすれば久々に首長の後ろ盾と、与党という追い風を受けての選挙戦だったが、それを有効に活用できない部分も目立った。
一方で、推薦を受けた新人8人のうち、5人が当選を果たし、そのうちの4人が1000票以上を獲得して、上位を独占した。さらに、これまでいなかった与党の保守系議員も3人(新人2人、元職1人)誕生させた。
■ 野党
前市長の逮捕で、その勢力を取りまとめる求心力を失ったダメージは大きく、この間に内部で亀裂も生まれるなど、立候補した現職16人と新人3人にとっては難しい選挙戦となった。
現職16人中、10人が再選を果たしたが6人が議席を失った。
3人が立候補した新人は2人が当選した。
敗れたある現職市議は「今回の選挙は合併直前の市議選によく似ていた。市長選後、保革相乗りの『ワンチームみゃーく』の出現もあり、政治構図が大きく変化した。それにより、市街地以外に地盤を持つ候補に票が集まる傾向があった。市街地を地盤とする我々には厳しかった」と振り返った。
■ 今後
いよいよ動き出す新しい与野党構図での市議会。与党側は保革の勢力がどうやって、その距離感を保ちながら議会対応を行うのか。また、いまだに残る革新勢力内部の「しこり」も今後、解消すべき課題として残ったままだ。
一方の野党側は、現職10人、新人2人の12人の勢力が、座喜味市政に対して一枚岩となって対峙(たいじ)していくのか。それとも、与党保守系との結び付く勢力が現れるのかも含めて先行きは不透明となっている。