宮古海峡に大量の軽石/海保が発見、注意喚起
広範囲に漂着の恐れも
大量の軽石が沖縄本島の広範囲に漂着している問題で、第11管区海上保安本部が27日に上空から調査したところ、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡で、帯状になった軽石が12カ所で確認された。潮流の流れによっては宮古島や多良間島に漂着する恐れがある。同部は、沖縄本島近海に多数の軽石が漂流しているとして、付近を航行する船舶に注意喚起している。
同部は27日午前11時から1時間、航空機から調査を行い、沖縄本島から南西に帯状になった軽石を発見した。発見個所以外の海域にも広く漂流している可能性があるという。
船舶に対しては、軽石などを発見した場合、可能な範囲で迂回(うかい)することや、定期的なストレーナ(海水系統のこし器)の確認による不具合の早期発見に努めることを呼び掛けている。
軽石は、小笠原諸島の海底火山噴火の影響によるものと見られている。今月中旬から、本島北部を中心に、南部や西海岸など県内25市町村、15漁協に漂着が確認されている。
県内では、養殖魚が大量死したり、漁船のフィルターに軽石が詰まってエンジンが故障する事例が報告されている。漁業のみならず、グラスボートの運航休止やマリンレジャーの休止など観光業にも影響が出ている。
県は27日、緊急対策会議を開いた。県庁内に対策チームを設置し回収方法を検討するほか、回収費用などの補助を国に要望する方針を確認した。
宮古島漁業協同組合の栗山弘嗣組合長は「宮古にも漂着するのではと毎日心配している。今はモズクの網を張る時期。漁船が出せない事態になると大打撃になる」と危機感を募らせた。