防衛省の港湾使用許可/保良への弾薬搬入で
座喜味市長「やむなし」
陸上自衛隊宮古島駐屯地の保良訓練場(弾薬庫)に配置する誘導弾(ミサイル)などを搬入するため、防衛省が市に港湾使用申請を提出していた件で、市は使用を許可した。8日、座喜味一幸市長が会見し「許可やむなし」と説明した。5日付けで通知した。8月には新型コロナウイルスの感染状況など社会情勢を理由に不許可としたが、今回は緊急事態宣言が解除されたことなどを踏まえて判断した。
今回も海上自衛隊の輸送艦を使用する計画と見られ、防衛省は10月29日に市に港湾使用の申請を行った。これを受け、市の関係部局は1日に港湾法、市の港湾条例などについてチェックした。4日には、「弾薬等搬入に関する対策本部会」を開き、対応を協議した結果、係留施設の使用については問題ないと判断し、許可することを決定。正式に申請者や沖縄防衛局などに文書で送付した。
会見した座喜味市長は搬入などの機密事項▽日時▽弾薬類▽ルート│などについては申請者が非開示とするよう要請していることについて、市としては公表できないとの見解を示した。
また、沖縄防衛局に対して①平良港での火薬類搬入時の安全対策に万全を期すこと②搬入に従事する隊員の新型コロナ対策を徹底すること(PCR検査、ワクチン接種など)③市民、第三者の接触をできるだけ避けること④非開示とした情報については国の責任で明らかにすること-を申し入れた。
座喜味市長は「前回も行政の公平性からみるとクリアできていたが社会情勢を踏まえて、市民の命を守るコロナ対策の観点から日程の再検討を求めた。今回は社会的要因、行政上の手続きもクリアしており、特段拒否する理由はないと判断した」と説明した。
搬入については、「実務的なやり取りは進んでいると理解しているが、案件の詳細な内容は公表しないようにとの要請があった。日時などは国の責任で説明するべき」と説明した。
一方、「国はできるだけの情報を公開し、丁寧に日程などについても知らせるべきと考える。市としても(搬入時は)それなりの体制を取っていきたい」と話した。