「公約違反」「信じられない」/ミサイル搬入許可
市民団体ら市長に抗議/地元保良からも怒りの声
座喜味一幸市長が8日、城辺保良の「保良訓練場(保良弾薬庫)」に、誘導弾(ミサイル)などの搬入を受け入れることを事実上表明したことを受け、搬入の中止を求める市民団体などは「公約違反だ」「信じられない」などと抗議した。保良の住民は「誰がわれわれを守ってくれるのか」と怒りをあらわにした。
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会(仲里成繁共同代表)は6日、防衛省が平良港の使用を求める手続きを市に再提出したことを一部のマスコミ報道で知った。
同連絡会は週明けの8日午前、座喜味市長にミサイル・弾薬搬入の中止、それに伴う防衛省の港湾使用申請の不許可をそれぞれ求める要請文を手渡した。
要請文には「市民に十分な説明も詳細な情報の公開をすることもなく、搬入することは認められない」と指摘。「『住民の安全・安心を守る』と言いながら集落から200㍍しか離れていない場所に弾薬庫を建設することは無謀」と批判し、市民への十分な説明と情報公開のないミサイル・弾薬搬入を認めず、防衛省の港湾使用申請を許可しないことを要請した。
しかし、座喜味市長は5日付で防衛省に平良港の使用を許可。同連絡会の要請の場では、そのことには一言も触れなかった。
座喜味市長が受け入れ表明の記者会見をした後、市役所を訪れた仲里共同代表と、メンバーの上里清美さんは「なぜ、われわれや関係団体などに相談もなく独断で決めたのか」と詰め寄った。「『(ミサイル搬入は)防衛省に十分な説明を求める』というのが公約だったのではないか」と述べ、受け入れの撤回を求めた。
座喜味市長は「事務手続き上、粛々とせざるを得なかった」と述べた。
保良訓練場の近くに住むミサイル・弾薬庫配備反対!住民の会の下地博盛共同代表は「非常に残念としか今は言えない。保良に住んでいる住民の命を考えれば、本当にそれで良いのかとの思いがある。何も起こらないという保障はない。では誰がわれわれを守ってくれるのか。そんな理不尽なことがあるのか」と話した。抗議活動は継続するという。
自衛隊賛成派の一人は「国防に自衛隊は必要な組織。その組織の体制を整えるということについては良いことだ」と述べた。