未収金7年ぶり増加/宮古病院
前年比3・3%増の2億3000万円/コロナ影響で回収ずれ込む
宮古病院(本永英治院長)は11月を「診療費個人負担分未収金対策強化月間」として回収への取り組みを強化していく。2021年9月末時点までの診療費未収金は2億3003万円で前年比で3・3%、730万円増加。7年ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で電話診療、PCR検査が多く、その場合、いったん、支払い保留の措置が取られ、支払時期に時間差が生まれるため増加した。同院では「コロナが収まれば、以前の状況に戻るのでは」と見ている。
強化月間について同院では「未収金が増えると病院経営が圧迫され、医療サービスの低下につながる」と懸念し、滞納者への納付を呼び掛けた。これまで5114人の未納がある。未収金額の最高は185万円。
未収金の内訳は、分割納入中が3504人(4455万円、構成比19・4%)、納入約束不履行210人(1625万円、7・1%)、弁護士委託が268人(2957万円、12・9%)、自賠責委任申請中が42人(413万円、1・8%)、社会福祉制度申請中が165人(495万円、2・2%)、出産育児一時金申請中が1人(48万円、0・2%)、住所不明や患者死亡相続人不明等のその他が924人(1億3007万円、56・5%)となっている。
未収金が発生する要因については▽生活困窮で支払い能力がない▽健康保険料未納に伴う自己負担分の増加▽支払い約束の不履行─を挙げている。
同院では「経済的に苦しい場合は相談してほしい。また健康保険料が未納になると、医療費が全額負担になるだけでなく、高額医療費制度も利用できなくなるので保険料はしっかり納めてほしい」と呼び掛けている。医療費の未収金のうち、保険料の未納を含む保険証が確認できずに自費診療となった割合が最も多い。
未収金対策について、同院では▽支払い約束不履行者への文書督促(分割納入中を除く)▽高額未収者への電話や訪問による督促▽特に悪質と思われる未収者に対する財産差し押さえ等の法的措置─を実施するとしている。