入島協力金で意見交わす/観光推進協
県の動向踏まえ対応へ/創設自治体の事例確認
宮古島市観光推進協議会の2021年度第2回会合が12日、市役所で開かれた。21年度上半期観光実績や住民満足度調査の結果、観光地整備計画の進捗(しんちょく)、入島協力金などで意見を交わした。入島協力金について、県が宿泊税の導入について検討していること踏まえて、その動向をみながら対応していくことなどを確認した。同協議会では今後も話し合いを進め、まとまった意見を座喜味一幸市長に報告する。
宮古島観光を多角的に検証する同協議会は、市や県などの行政機関をはじめ観光協会や商工会議所、農協や漁協などの代表らで組織されており、会長は座喜味市長が務めている。
入島協力金については環境の保全と持続可能な観光の両立へ向けて創設を検討。座喜味市長の施政方針にも盛り込まれている。市は18年度に「法定外目的税庁内検討委員会」を設置し、創設を検討してきた経緯があるが、当時は消費税増税などもあり、棚上げされた。
同協議会では協力金を創設した各自治体の事例などを紹介。この中で、法定外目的税のような強制力のある徴収ではなく、財源確保に不安定要素があることなどが示された。事務局は▽入島税(法定外目的税)▽宿泊税(同)▽入島協力金▽入島協力金から宿泊税にシフト│の四つを提案した。
参加者からは「当初は自主的な入島協力金でスタートし、県が宿泊税を導入したタイミングで移行するほうがスムーズに行える」などの意見があった。
このほか、21年度上半期観光実績は入域観光客数が20万3967人で観光消費額は約165億円となった。
住民満足度調査では宮古島に定着する意向は強いが所得の面や将来性についての満足度が低下していることや、観光客への対応よりも住民の居住環境や自然環境への配慮などを望む声が増加していることなどが報告された。