保良訓練場に弾薬搬入 ミサイル部隊体制整う
陸上自衛隊宮古島駐屯地の保良訓練場(弾薬庫)に14日、地対空、地対艦誘導弾(ミサイル)と思われる弾薬が搬入された。弾薬は宮古島駐屯地のミサイル部隊に配備され、同部隊の体制が整った。弾薬は海上自衛隊の輸送艦「しもきた」で輸送され、平良港下崎ふ頭に陸揚げ後にトラックで同訓練場に搬入された。下崎ふ頭や保良訓練場などには地元住民や市民団体計60~70人が集まり抗議行動を展開した。
「しもきた」は午前7時40分ごろに着岸。海自隊員と陸自隊員がともに陸揚げ作業を行った。下崎ふ頭には弾薬を積んだトラックを先導するための車両など約20台の車両が待機していた。弾薬を積んだトラック15台は午前8時50分ごろに上陸した。
弾薬搬入に反対する市民らが座り込みなどの抗議活動を展開したことで、同ふ頭を出発したのは午前11時ごろになった。
弾薬を積んだ車両や先導する車両などで総勢42台は下崎ふ頭を出発後、バイパスから下地線に抜け、市役所上野庁舎前を通過。宮古製糖付近を右折し、一周道路にでた。保良訓練場ゲート前では抗議活動が展開されており、しばらくは待機していたが、午後1時ごろに搬入した。
6月には陸上自衛隊の輸送機(ヘリコプター)で弾薬類が空輸されたが、地対空、地対艦誘導弾などではなく、中距離多目的誘導弾や迫撃砲弾などとみられている。
陸上幕僚監部は弾薬搬入について詳細は安全性の観点からは回答は差し控えると説明したうえで、「宮古島島民の安心安全を守るためにもの島内に弾薬を保管することは必要不可欠と考えている。また、早期に体制を確立することは抑止、対処力維持にも必要」と話した。
2020年3月には陸上自衛隊宮古島駐屯地へのミサイル部隊配備に伴い、地対艦誘導弾部隊が使用する誘導弾発射台を装備した車両などが搬入されたが、装備される誘導弾は搬入されなかった。今回、地対空、地対艦誘導弾(ミサイル)が搬入されたことで同部隊が作戦を展開できる体制が整った。