軽石対策、3漁協が要請/来間島沖で確認受け
市、正式に対策本部設置
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火による軽石が、19日、来間島の南南東約18㌔付近の沖合で確認された。付近を航海した漁業者が発見した。これを踏まえて、島内3漁協の組合長は同日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、報告するとともに早期の対策を求めた。座喜味市長も「市としてできる限りの対応をする」と説明した。市は19日に正式に対策本部を立ち上げた。
軽石の漂着についてはこれまでは伊川秀樹副市長を先頭に対策会議が開催され、農林水産部、建設部、生活環境部、総務部、観光商工部の部長らと3回の意見交換を行っている。
対策としては市民の生活物資が搬入される平良港、大神航路を重要港湾と位置づけて対応する方針。
漂着前の事前準備としてオイルフェンスの調達準備をしている状況だが、島内にオイルフェンスの在庫については20㍍×5個の計100㍍しかないという。市は「(100㍍では)心もとないが、沖縄本島から取り寄せられるかが課題」と説明し、「島内に漁網やネットなどを活用して対応したい」と述べた。
また、漂着した場合は軽石を回収し、市有地に保管する。農家や園芸で活用されることが予想されることから、必要な市民に提供するとしている。
要請したのは伊良部漁業協同組合の伊良波宏紀組合長、宮古島漁業協同組合の栗山弘嗣組合長、池間漁業協同組合の與那嶺大組合長。海流図などを持参し、軽石が発見されたことを報告。
栗山組合長は「潮の流れで(軽石は)下から入ってきている。バキュームも国頭が終了したら宮古島に持ってきてもらう予定。最後の手段はモズクのポンプを使うことも考えている。水産物を守るためにも軽石対策を早期に実施してほしい」と話した。
座喜味市長は「モズクやアーサを守らなければならない。市としてもできる限りの対応をする」と強調した上で、「(軽石対策は)長い勝負になることが懸念される。被害を最小限に食い止めるためにも、皆さんもモズクの植え付けを遅らせるなどの自助努力をしてほしい」と理解を求めた。