ドローン、各分野での活用期待
人命救助や農薬撒布など/本土企業 操縦指導講習会開く
無人航空機、通称「ドローン」の実用化が急速に進んでいる。宮古でも警察と民間企業が行方不明者の捜索や人命救助に活用しようと協定書を締結。畑への農薬散布で作業の効率化を図る取り組みもあり、空撮だけでなくさまざまな分野での活用に期待が広がっている。一方で安心、安全な飛行の実現に向けた規制の周知などが課題となっている。
23日には操縦方法を指導する団体が講習会を開催。地域の人たちが参加し、実際に操縦するなどして機能や知識などを深めた。
講習会を開いたのは、兵庫県の「やまびこSKY」(森田玉美代表理事)。平良荷川取(下崎)でスタッフが子供たちや受講生らに、飛ぶ高さや位置など、飛ばし方のコツを伝授した。
ドローンとは無人航空機の総称で、マルチコプターからラジコンヘリコプターまでさまざまなものが含まれる。2015年に改正された航空法によると、遠隔操作や自動操縦により飛行できる重量200㌘以上のものとなっている。
飛行させる空域(場所)によっては事前に国土交通大臣の「飛行許可」を得る必要があり、利活用に向けては安心・安全な飛行や人口密集地では飛ばせないなどの規制法の周知が課題となっている。
宮古では、警察が行方不明者の捜索や災害時の情報収集、人命救助などに生かそうと、民間企業と協定書を締結した。
同署では「周囲を海に囲まれ、断崖絶壁が多い宮古では非常に大きな効果を持たらす」と期待している。
また、ドローンを使って空中から農薬を散布する作業の実用化に向けた取り組みも行われている。
一般の人たちを対象に講習会を開いた、同社の森田代表理事は「ドローン機能や知識などを理解して、安全に楽しめるように普及させていきたい」と話した。
講習会に参加した古謝煕さん(高校3年)は「最初は難しかったが、操作に慣れてくると思うように動かせて楽しかった。ドローンのカメラから見た宮古島は思っていたより小さく見えた」と話した。