漁港、砂浜に軽石漂着/高野、池間島に大量
漁業者「早急な対応を」
小笠原諸島の海底火山の噴火による軽石が、県内に大量に漂着した問題で29日、高野漁港と池間島のフナクス海岸で大量漂着が確認された。海洋研究開発機構が発表した軽石漂流に関する予測シミュレーションによると、今後も宮古島東側を中心に断続的に軽石が流れ着くと見られている。漁業関係者は「市や県は早急な対応を」と声をそろえた。
高野漁港では、風と潮の流れに乗った軽石が同漁港の沖合から入り込んでおり、一部では停泊する船の周辺をすべて軽石が覆い尽くす状況も見られた。
同漁港で漁を営む男性は「前日も多少は流れ込んできていたが、きょうが一番量が多くてすごい。風向き的にまだまだ流れ込んできそうでこれからが心配だね」と話した。
フナクス海岸は池間島の北東側にあり、観光客に人気のビーチ。約1週間前から軽石の漂着が見られていたが、28日の夜から29日の朝にかけて、白い砂浜は一転し、灰色に変わった。池間大橋の橋詰め広場の海岸では、約100㍍にわたって、軽石が帯状に打ち上げられていた。
池間漁業協同組合の與那嶺大組合長は「重機が入れない場所なので作業を人力に頼るしかない。漁に出られない、観光資源も使えなければ小さい島はお手上げだ。行政で早めに対応してほしい」と話した。
海洋研究開発機構の予測シミュレーションの最新版は、12月13日までの予想が示されている。それによると、11月30日には伊良部島や下地島の北側海岸に流れ着く見込み。
市は29日午後に対策本部を開き、情報を共有し、県と連携して対策に当たることを確認したという。