安心安全な航路確保を/「フェリーたらまⅢ」就航
定住促進寄与にも期待/関係者ら記念式典 多良間
【多良間】新造船「フェリーたらまⅢ」が8日、就航した。多良間村(伊良皆光夫村長)は同日、記念式典を多良間小学校体育館で開き、就航を祝った。新型コロナウイルスの感染を予防するため、規模を縮小して実施され、村民の多くが参加を自粛した。関係者で就航の喜びを静かに分かち合い、安心安全な航路の確保と定住促進に寄与することに期待を込めた。
当初は西銘恒三郎沖縄担当相や玉城デニー県知事をはじめ、国・県の関係者を招待して開催する予定だったが、新型コロナの県内での爆発的感染により、来島を取りやめた。
式典で伊良皆光夫村長は「新造船は、安全性はもとより、バリアフリーに配慮した設備を備えている。利便性が一層向上することで、交流人口の拡大に貢献するだろう。安全安心・安定運航に努め、観光振興や交流促進などに積極的に取り組みたい」とあいさつした。
福嶺常夫議長は「フェリーは村民の足であり、観光客や生活物資、家畜、黒糖などを運ぶ生活航路として極めて重要。島に住んでいても生活水準を下げることのないよう生活航路としての役割を担ってもらいたい」と期待した。
フェリーたらまⅢの與那覇勝也船長は「船の能力を最大限に引き出せるよう日々努力して、多良間島に貢献したい」と意気込んだ。
新造船は全長約69㍍、総トン数499㌧、積載重量約250㌧。旅客定員は150人、航海時間は2時間となっている。
7日まで運航していた「フェリーたらまゆう」の老朽化が進み、船舶建造検討委員会を立ち上げて代替船の建造を進めてきた。
総事業費は約18億円。県の補助金(離島航路運航安定化支援事業)を活用し、村負担は7億6900万円となっている。