国立公園指定向け動き/八重干瀬と周辺地域
環境調査など予算要求/市教委 世界遺産への登録も視野
宮古島市は、八重干瀬および周辺地域の国立公園指定に向けた動きを本格化させる。新年度予算に「自然環境保全活用促進事業」として、市教育委員会生涯学習振興課が市当局に7000万円を予算要求している。認められれば初年度は自然環境調査と地形図の作成を予定している。市はこうした取り組みを経て、将来的には世界遺産登録を目指している。
八重干瀬は現在、国指定名勝および天然記念物(文化財)となっている。市は国立公園指定への可能性があるとして、同事業で八重干瀬とその周辺地域の自然資源の現況を把握し、保全活用体制の整備を図るとしている。
新年度予算に要求している7000万円が認められれば、半分は自然環境調査、残りの半分をレーザー測量で細かいリーフの形が見えるようにする地形図の作成を目指す。
対象エリアは八重干瀬のほか、池間島、大神島と宮古本島の狩俣~南静園沿岸等までの3・9万㌶。
海域は八重干瀬(ウツグス、フデ岩含む)、池間島周辺、大神島周辺、大神島~島尻間の離礁群、狩俣・世渡崎~島尻・宮古南静園前沿岸。
陸域はフデ岩、大神島および同海域内における干出岩礁の全域のほか、池間島、大神島、宮古島狩俣・世渡崎~島尻・宮古南静園の沿岸で連続した自然・人工植生の分布が確認できる範囲(県道は連続性の分断とする)と、池間湿原。
事業期間は22年度~27年度までを予定。その間に生物、地質、補足調査のほか、関係者ヒアリング、成果広報・啓発、保全協議を実施する方針。
市は事業実施状況の成果を踏まえ、国立公園や国定公園に指定を国や県に求める準備ができるとしており、世界遺産登録申請に向けた足掛かりにしたい考えだ。
一方で、国立公園等への指定により、漁業や地域集落等に大きな制約が課されることが明らかになった場合は、同事業の在り方について根本的に見直すともしている。
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